オートレフラクトメーターという近視・遠視・乱視を測定する機械があるのですが、この機会は便利な反面、その測定値を信じすぎてしまうと特に近視の方は強すぎる値となってしまいます。
今回は、中学生のお子さんでオートレフと実際の測定値に大きな差が出たケースです。
(主な訴え)
最近少し黒板の文字が見づらくなってきた。視力測定ではC判定くらいだった。
裸眼視力 両眼0.4 → 雲霧・フリッパー後 視力0.6に上昇
(オートレフ測定値)
右眼:s-2.25
左眼:s-2.25 左右共に信頼係数9
(*信頼係数:この度数の信頼性を現している数値 最高数値は10)
こちらで測定した最終的な結果は・・・
右眼:s-0.75
左眼:s-0.75 両眼視力1.0
裸眼視力が最初は両眼0.4くらいでしたが、調節フリッパーを使ったり、十分な雲霧法をおこなう事で調節機能を充分に緩めてあげると両眼視力が0.6程度になりました。
最初の時点での視力で考えても近視の度数がs-2.25という値は強すぎるのであり得ない値となります。
オートレフの測定値では、およそ9段階の近視度数が必要とされましたが、実際にこちらで調節機能に負荷がかからないようにコントロールしながら調べていくと3段階程度の近視度数で十分な視力が得られました。
最近の自動機械検眼機は優秀になりましたが、その値の信頼しすぎると過矯正のメガネが出来上がってしまいがちです。
特に小中学生のお子さんの場合は豊富な調節力がありますので強い近視の度数が測定されやすくなりますので気をつけましょう。
*2020年3月より次世代型度数測定機器「OPD-SCANⅢ」を導入いたしました。
こちらの機械での測定でも、その測定値をそのまま利用することはありません。こちらの機械では角膜の形状・眼内の屈折状態・見え方の質などを利用し、より多角的に度数評価するために使用しています。機器の測定した度数データをそのまま使うことはありません。

メガネの尾沢(尾沢視覚研究センター)
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