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不同視の方に合うメガネとは?見え方の不快感を防ぐためのメガネづくり 専門家が解説

更新日:5 時間前

米国式・ドイツ式両眼視機能検査を行い見え方を詳細に測定をする愛知県田原市のメガネの専門家がいるメガネ店「メガネの尾沢」です。


さて、本日は「不同視の方に合うメガネとは?見え方の不快感を防ぐためのメガネづくり」を説明していきたいと思います


以前書いた記事に補足を加えています


左右で視力差があり、実際に屈折度数(遠視、近視の度数)が左右で大きく異なっている眼を「不同視」といいます。(ガチャ目などと呼ばれたりする眼の方ですね)


この「不同視」の方は、


・左右の度数差が大きくて、ここまでしか作れません

・視力が弱い方は諦めてください

・コンタクトレンズにするしかありません


などなど言われたことがある方も少なくないと思います。


不同視とは2.00D以上(8段階以上の度数差)の差がある方を言います。


一般的に、不同視の処方は2.00D以上の差があっても「2.00D差までしか矯正をしない」などと言われることも多くあります。


(例)右眼:度なし、左眼:3.00Dの近視

2.00Dまでしか矯正しないとなると左眼の処方度数は-2.00D近視となります。この場合では左眼の度数は-1.00Dの近視が残ることになります。


こういった事をおこなう理由は、左右それぞれに合わせた度数では、きつく感じてクラクラしてしまうことがある、不等像が起きる可能性があるから等の理由からと言われています。


しかし、実際にはそういう決まりはなく、逆にむやみに度数を弱くしてしまうことで「両眼で見る」という人間本来が持つ見る能力が阻害されてしまい、下記のような見え方の問題が起こることがあります。


・見えにくくて常に何かしっくりこない


・距離感がつかみづらくて怖い(運転苦手・モノにぶつかる・躓く・球技が苦手など)


・眼が疲れる・眼精疲労


・肩こりや頭痛に悩まされる


これは「不同視」だからと言って度数を不当に弱めて低矯正にすることで、逆に本来の両眼で見る機能に負担が掛かり問題が起きてしまう事が原因です。


不同視の方は屈折補正の測定だけではなく、見え方の問題になる原因・要素というのがあり、それがクリア出来るのであれば、しっかりと左右共に度数合わせをすることが眼・見え方の負担が少なくなり大切になります。


「不同視」メガネで見え方の問題になる原因

「なぜ不同視はメガネ度数を弱めなければいけないのか?」「なぜメガネは向かないのか?」と伝えられても理由が分かっていないというケースも多いので、先ずは、実際に不同視の方のメガネで見え方の問題になる原因を理由を説明したいと思います。(案外答えられない専門家も多いです)


下記の要因がメガネ度数補正の妨げにならないのであれば、しっかりと左右共にメガネ度数をしっかりと補正することをおすすめします。


(不同視メガネで問題になる原因)


①メガネ度数の左右差によって起こるプリズム誤差による眼筋への負担

眼鏡レンズはプリズムレンズの集合体でレンズの光学中心(光心)以外でモノを見ると、プリズム作用が生じてしまいます。この場合、プリズム作用が生じたとしても、左右が同程度の度数であれば、左右眼ともにほぼ同じ量のプリズム作用が生じてきますので通常は問題になることは少ないです。


しかし、左右差があると右と左で生じるプリズム作用が大きく異なってしまいます。この誤差を「プリズム誤差」といいます。この左右のプリズム誤差が大きいと左右で見ている像の位置が変わってしまうために眼球運動筋へ負担をかけてしまうケースがあります。


こういったケースでは「どの程度のプリズム誤差が生じるのか?」を計算した上で、両眼視機能検査で水平方向・垂直方向にどの程度眼の動きに耐えられるか?の眼筋の余力を測定することで分かります眼球運動等の力でプリズム誤差を補える範囲内であれば無理に度数を弱くする(低矯正)必要はありません。


視線の移動でプリズム効果が起きて左右の位置がズレる
視線の移動でプリズム効果が起きて左右の位置がズレる
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*プリズム誤差を自身の眼の力で修正できるのであれば無理に度数を弱めず両眼で見る機能を優先します。



②レンズの拡大縮小効果による不等像

メガネレンズには、近視レンズは小さく見える、遠視のメガネは大きく見えるという縮小拡大効果が起きます。左右の度数差が大きくなると、この左右でモノの大きさが違って見えてしまう「不等像」が起こる場合があります。この際には度数の調整、もしくはサイズレンズの適用が必要になります。


この「不等像」も屈折性不同視(角膜・水晶体の度数による左右差)なのか?軸性不同視(眼球の長さによる左右差)なのか?によって違います。軸性の場合は「不等像」は起きづらい傾向にあります。


コチラも不等像を計測する検査で実際に不等像が生じているのか?を確認をします。

左右の大きさの差が5%以上を超える場合は、両眼で見る際に左右の情報を脳内で一致するのが難しくなって見え方に影響を与えやすくなります。


不等像が起きている場合は、サイズレンズを使用するか?強い度数の眼の度数を弱めるなどの対処が必要になります。


しかし、多くの場合で不同視による不等像5%を超えるような差が生じるケースは稀です。


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不等像の有無を確認する視力表

不等像のチェックは偏光レンズを使用して上記の視力表を見て頂き左右の大きさに差が生じていないか?を確認します。因みに写真のケースでは7%ほど大きさの差が生じている例です。



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不等像の見え方 参考

これらの問題を度数測定・両眼視機能検査で詳細に測定をし、本当に度数を弱める調整が必要なのか?逆に左右共にしっかりと合わせた方が良いのか?を決めていきます。


上記の問題を十分にクリア出来るのであれば、基本は両眼ともにしっかりと度数合わせをすることが両眼の機能を最大限に発揮できるので大切です。


「不同視」の方は「斜位」の問題を抱えているケースも多い

不同視の方で、もう1つ必ず確認をしないといけないのが「斜位」と呼ばれる視線ズレがどの程度の大きさなのか?です。実際に不同視眼の方の多くは、両眼視機能検査を行っていくと「斜位」と呼ばれる視線ズレ量が比較的に大きい方がいらっしゃることも多いです。


斜位の種類
斜位の種類

もともと「斜位」による視線ズレがあると眼球運動自体に負担が掛かりやすい眼といえますので、この「斜位」を修正してあげないと左右の度数差からのプリズム誤差による負担も加わりますので、他の方に比べても眼筋への負担が大きくなりオーバーヒートしてしまう事で不快感を感じている場合があります。


全ての方とは言いませんが「斜位」の修正プリズムメガネで補正してあげると嘘のように掛けられるようになるケースがあります。(*但し、不同視眼の方の斜位測定は難しい面もあり、プリズム誤差によって「光学的斜位」と呼ばれる偽斜位が測定されてしまう傾向があるので注意が必用です。)



選択するメガネフレーム・掛け具合の調整も大切になる

不同視の方は、メガネを快適にお使い頂くために、メガネフレームの選定も大切になります。


なるべく小ぶりなメガネフレームを選ぶことです。


これは不同視の方でメガネが掛けづらくなるのはプリズム誤差が一番の問題になるからです。大きなフレームは「視野が広くなるので見やすくなるのでは?」と思いがちですが、不同視のある方はレンズの中心位置から離れた位置で見るほど「プリズム誤差」が生じて見づらくなり・眼筋にも負担が掛かります。なるべく視線の移動が起こらない小ぶりなフレーム(縦幅が狭い方がさらに良い)を選ぶことが大切です。


但し、小さけれどれでも良いわけではなく、顔幅・左右の眼幅に合わせたフレームを選びましょう。


「そう言われても、どれが自分に合っているのか分からないよ!」という場合が多いと思いますので、そこはメガネの専門家に御相談いただければ、あなたに合ったフレームを選定をいたします。


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不同視の方はなるべく小さなフレームを選ぶと視線移動が減ってプリズム誤差が起きづらい
不同視の方に最適なメガネフレーム 
不同視の方に最適なメガネフレーム 


その他にも、アイポイントの測定やフィッティングなども重要になってきます。

メガネフレームを掛けた際に眼の位置がどの位置にくるのか?などの計測と掛け具合の調整が大切になります。


メガネの尾沢では、フレームと眼の中心を計測器を使用して詳細に測定をします。


アイポイント測定機
上記測定機で写真を撮影して眼の位置を確認していきます


基本的には、不同視の方でも度数の強い方の眼を理由もなく低矯正をにしてしまうと、結局は人間の見る機能である「両眼視」に問題を抱えるケースがあります。


しっかりと度数矯正できるのであれば、可能な限り補正をして本来持つ「両眼で見る」機能を損なわないように模索していくことが大切です。


どうしても度数を下げざる負えない場合もありますが、しっかりと個々の見え方を分析した上で度数を下げているのか?何も考えずに下げているのか?では結果に大きな違いがあります。


もし、左右差のある「不同視」だからといって理由もなく度数を弱められたメガネを使用していて、見え方の不調を抱えている方がいらっしゃいましたら、一度ご相談を頂ければと思います。



メガネの尾沢では、ドイツ式・米国式両眼視機検査・超高性能オートレフラクトメーター・全国でも数台しかない特別な視力表・度数測定室の環境整備と徹底的にこだわってメガネ度数を測定していきます。


また、地元・田原市や愛知県だけでなく福岡県・広島県・福井県・和歌山県・三重県・静岡県・岐阜県など全国各地・遠方からも様々な見え方のご相談などでご来店頂いている実績がございます。


夜間の見づらさだけでなく、眼の手術後の不等像による見え方の悩み、モノが2つに見える悩み、日常でのちょっとした見え方のお悩みまで、何処にいっても解決策が見つけられなかった様々な問題に取り組んでいるメガネ店です。


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メガネの尾沢 尾澤智宏です。現在はもう少しふっくらしていますのでお会いの際に驚かないでくださいね。

↑私が責任を持って、どんな些細な見え方のお悩みや、メガネのお悩みでもご対応いたしますので安心してご相談ください。



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お電話でのご相談は0531-22-0358にお電話ください


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「夜間の見え方を完全再現する特別測定」も行っております。

夜間の見づらさに困られていらっしゃる方で、完全暗室でより正確に測定をご希望の方は時間外営業時間の「19:00~21:00」の時間帯での特別測定も承ります。お日にちでご希望に添えないことなどありますので必ず事前の予約をお願い致します。

また時間外測定料金として眼鏡作製時でも¥3300-を別途頂きますのでご理解お願い申し上げます。


 

メガネの尾沢(尾沢視覚研究センター)

 

住所:愛知県田原市田原町新町48-2 

Tel : 0531 - 22 - 0358

 営業時間:9:00~ 19:00

定休日:火曜日/第4日曜日

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