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  • 執筆者の写真Tomohiro Ozawa

夜間の見づらさと眩しさの原因と対策(原因編)

「夜間運転時に眩しさ・見づらさ」を感じる


暗所時は視力そのものが多少低下をする傾向にあるので一般的には見づらくなったりするのですが、それでも全然平気な人もいれば、見づらい・眩しいなどで夜間は「運転そのものが怖くて出来ない‼」と訴えられる方もおり、大きな個人差が存在します。


では、何故そのような見え方の違いが生まれてしまうのか?また原因とは何であるのか?


全ての原因とは言えませんが現状でいくつか考えられる様々な要因を少し書いていければと思います。


①屈折矯正の未矯正による影響

まずは単純に近視・遠視・乱視といった屈折矯正がされておらず見づらさ・眩しさを感じているというケースです。

視力というのは常に一定であるわけではなく、仮に視力表での視力が十分であると判断されても近視・遠視・乱視等が未矯正の場合は暗くなる薄暮・夜間時、極端に眩しい状況などの光のコンディションが悪くなると、特に大きく視力が落ちる傾向があります。

特に乱視などがある場合は、見づらさだけでなく光が散るように見えたりするので昼間・夜間問わず眩しさを強く訴えるケースが多くあります。

「視力表の視力では問題ないから・・・」と思われていても案外には近視・遠視・乱視が隠れており、それが夜間時の見づらさ・眩しさのの原因になっていることがあります。



②瞳孔径の変化による度数の変化

近視・遠視・乱視といった屈折異常は厳密に言うと一定であるわけではなく、明るい暗いといった光のコンディションで近視・遠視・乱視という度数が大なり小なり変化をしていきます。これは人間の眼が暗い時は散瞳をし、明るい時は縮瞳するという光を取り込む量を調整している瞳孔の大きさの変化によって起こります。

ただ、この瞳孔径の変化による度数の変化も人によって様々であり、大きく変化してしまう人もいれば、変化の少ない人もいます。散瞳時の度数変化の大きい方ほど、夜間時などに見づらさや眩しさを強く感じられる傾向にあります。

また、これは次に記載する高次収差とも関係をしていきます。



③高次収差の影響

近視・遠視・乱視という屈折度数矯正だけでは解決できない見づらさの原因が存在します。

これは人間の眼は完璧な光学製品とは違い、角膜・水晶体といったレンズが必ずしも均質になっていないので、微細な複雑な歪みのようなモノが大なり小なり存在し、生じています。このような個々の目の構造上の複雑な歪みは「コマ収差」「球面収差」「トレフォイル」「クアトロフォイル」「第2乱視」などと呼ばれ、これらが複雑に絡み合ったものを「高次収差」と呼んでいます。


「高次収差」が部分的に像の歪みが生じてしまい、網膜上でキレイな焦点を結ぶことが出来ないと思ったような視力を得ることが出来ない、視力表での視力は良いのに見づらさを感じます。また高次収差の数値があまりに大きい場合は、眼病の可能性も考えられるので、適切な医療機関での受診をして頂くように強くオススメを致します。


*②や③の原因といったモノは、通常の測定機器では測ることが出来ず、波面収差解析装置(当店はOPD-SCANⅢ)という機器を使うことで測定することが可能です。

OPD-SCANⅢは、角膜形状・水晶体の形状(opd-scanⅢvsという廉価機では水晶体乱視の測定はできない)も把握することが出来るので乱視度数の客観的な評価も出来、より正確な測定も可能です。




④両眼視の影響

人には必ず「斜位」と呼ばれる視線のズレを持っています。

「視線のズレって何?」と、人間の眼はまっすぐを見ているわけではなく力が抜けると楽な方向に視線位置がズレるようになっています。このズレには個人差が有り、外側にズレる、内側にズレる、左右の眼が反対方向の上下にズレる方がおり、また、ズレの大きさにも違いがあります。

人は目の奥にある網膜に並んでいる「視細胞」が光の刺激を受けることで私たちは「見る」事が可能なわけですが、網膜の全ての部分が同じ性能を持っているわけでなく、網膜の中心部分である「黄斑部中心窩」という小さな窪みの部分が最も視力が高く鋭敏になっており、その範囲から少しでもズレた部分は急激に視力が落ちて行きます。(大半の部分はそれほど鮮明に見えていないともいえます。)

無意識的に人間はこのような狭い範囲を左右両方の眼でしっかりズレなく捉えるようにしてみているのですがm(厳密に言うとその部分だけを見ているのではないので違うのですが)

ズレが大きかったり、ズレを修正する力が弱かったりすると無意識的に片方の目はシッカリと目の真ん中で見ていても「反対側の目は中心では無いところを使って見ている・少しズラして見ている」ということをする事があります。

これは「固視ズレ」などと呼ばれるのですが、最初は中心だけがズレている状態だったのが、深刻になるとそれが固定化されてしまい、さらに進むと本来のしっかりと左右の眼でズレなくで捉えなければいけない範囲の大きさが広がっていくことがあります。


この「固視ズレ」があると「片目」ずつで交互に見たら、それぞれハッキリ見えていたとしても「両眼で見ると見づらくなる」という事が起きていたりします。

また「固視ズレ」がある方のお困りごとで、もう1つ共通するのが「眩しさを訴える」と言う事です。しっかりと両眼が一つに物を見ていないことのによる微妙なズレを伴うことで、光の点などをダブらせたり、実際よりもボヤけて大きく見せたり、流れるように見えたり、視界を混乱させるような見え方には繋がっているから「見づらさ」と「眩しさ」を訴えられていると考えられます。実際に「固視ズレ」が生じている方が、「固視ズレ」を解消するような度数を掛けていただくと多くの方が「眩しさが大幅に減る」とおっしゃられるケースが多々あります。



⑤光の受容部分・神経回路・脳の情報処理の問題

(一部記載に語弊があるかもしれませんが)

眼球奥の網膜には視細胞が並んでおり、光の刺激を電気信号に変えるわけですが、そこに何か問題があるケースが合ったり、脳に電気信号を伝える神経に問題があったり、眼の装置としての機能は正常なのにそれを受ける脳に情報処理が敏感であったりというケースがあります。正直、この部分は私たちでは解析することもできませんし、どうにもならない分野になります。ですので原因を解決することはできませんが、それでも「光を制御する」事をしなければいけないのは変わりませんので、メガネレンズを使って症状の緩和のお手伝いをすることは可能かと思います。


簡単ではありますが、いくつかの原因について記載をしてみました。


次回は「それでは、どのように夜間時の見づらさ・眩しさを対策していけば良いのか?」という部分を書いていきたいと思います。



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