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寄り眼過剰(輻輳過剰)による見え方の不調とメガネでの対応について

更新日:10月23日

米国式・ドイツ式の両眼視機能検査を行い、見え方を詳細に測定する愛知県田原市のメガネ専門店「メガネの尾沢」です。


何となく見づらいが原因が良く分からない・・・


疲れてくるとモノが2つに見えてしまう・・・


立体感や距離感が分かりづらい時がある・・・


深視力が苦手・・・


3D映像などが分かりづらい・・・


視力は良いのに、このような見え方の不調の原因がある方は見る機能に不調が起きている場合があります。


今回は、見る機能の問題の1つ「寄り眼過剰(輻輳過剰)」に対しての説明とメガネでどのように対応していくか?について解説します。



見る機能「2つの眼の仕組み」について

人は2つの眼を協調して使うことで「奥行き」や「立体感」を感じ取っています。遠くも近くも、ピントが合い、両眼の視線が同じ目標に向いていることが理想です。


この「両眼が協調して働くこと」は、遠くや近くのものを見るうえでも非常に重要です。もしピント合わせ(調節)と眼球運動(輻輳・開散)がうまく連動していないと、モノを正確に捉えられず、立体感や奥行きの感覚も弱くなり、距離感を誤るなど、日常生活に支障が出ることもあります。



ピント調節と寄り眼は神経的に連動している

人の目には、ピント合わせを行うと自然に寄り目(輻輳)が起きるという神経的な連動機能があります。逆に、寄り目をするとピント合わせも誘発されるという関係性でもあります。


このバランスや連動性には個人差があり、


  • ピント合わせに対して寄り目が足りない方

  • 逆に寄り目が過剰に起きてしまう方


などがいらっしゃいます。


通常は脳が自動的にバランスを取っており、また、僅かなズレ程度であれば脳内で補正をしてしまいますので、本人としては気づきづらい傾向にあります。


この補正が負担になって少しづつ蓄積していきオーバーワークになってしまうと上手く働かなくなったり、ズレの誤差が大きくなって補正が難しくなり、見え方の不調などが現れてきます。


寄り眼過剰(輻輳過剰)とは?

眼がピントを合わせる調節機能を使うと同時に寄り目が過剰に起きてしまい、両眼を外側(耳側)へ思うように開くことができなくなる状態です。


輻輳過剰の眼の状態
赤線が本来の視線位置 黒線は輻輳過剰で視線が開いていない状態 

*イラストのように本来は赤線のように左右の眼の視線が目標にしっかりと合っているはずが、本人の意識はしっかりと目標を見ているはずが、実際には視線が開ききらずに黒線の位置で合ってしまいしズレが生じてしまいます。


このような方は、特に多いのが


  • 遠方を見ると物が二重、2つに見える

  • 遠く近くと眼を動かすと文字がにじむ、ぼけるかんじがする

  • 立体感や距離感が分かりづらい

  • 目が疲れる感じがある


といった症状を感じることがあります。


特に「若くてピント調節力が十分にあるのに目が疲れる」「外見的に寄り目と言われる」といった場合には、この輻輳過剰が原因であることが少なくありません。


メガネでの対応:ピント調節への負担を軽減する

輻輳過剰が疑われる場合、まずはピント調節の負担を減らすことが重要です。そのためには、プラス度数(凸レンズ)を加えてピント合わせを助けるメガネを使うことで、寄り眼を軽減し、バランスを整えることができます。


(度数設定のポイント)


  • 近視の方→ ピント調節を刺激する強い近視度数は避け、できるだけ弱めの度数に設定する。

  • 遠方がよく見える(潜在的に遠視の傾向がある)方→ 遠視度数をしっかり補正して、過剰なピント調節が起きないようにする。

  • デスクワークなど近業中心の方→ ピント調節や眼球運動の負担を減らす専用レンズを使用する。(近視・遠視関係なく該当)


輻輳過剰を起こしやすい方は、わずかな度数の変化でも視線バランスが大きく変わるため、特に近視度数を上げる場合は慎重な測定が必要です。どうしても遠方視力のために近視度数を強める必要がある場合には、調節サポートレンズや遠近両用レンズなどピント調節をアシストするレンズの使用が効果的です。


注意:輻輳過剰と近視過矯正メガネは最悪の組み合わせ

輻輳過剰の方でよくあるケースが、視力が低下をしたので「遠くをもっとよく見よう」と近視度数を強くした結果「かえって見え方が悪化する」ケースです。


近視度数はピント調節を刺激する作用があるため、調節が抜けにくくなっている輻輳過剰の方には逆効果になりやすく遠方視力を上げようとすることによって結果として、より眼が外に開きづらくなり両眼の視線を上手く合わせられなくなってしまうことがあります。


  • 目の疲れや違和感

  • 二重に見える

  • 頭痛・集中力低下などの不調

  • 距離感や立体感がつかみづらくなる

  • 進行すると内斜位から内斜視へ悪化することもあります。


また輻輳自体がピント調節に干渉をしている場合もあり、その場合は本来は近視では無いのに近視度数を加えてしまう「近視過矯正メガネ」になってしまいがちで、同じく眼の負担を増やしてしまい見え方の不調・体の不調にもつながることがあります。


「ベースアウト プリズム」メガネは慎重に!

輻輳過剰の方を測定すると、遠方斜位検査で「内斜位」と測定されることがあります。内斜位と測定されるためにベースアウトプリズムを加えたメガネを作るケースがありますが、複視がない限りはプリズムメガネは慎重に扱う必要があります。


プリズムによって像を外側に動かして補うことはできますが、実際の眼の動きは「寄り眼」のまま固定されるため、本来はピント調節を緩めることで眼を外側に開く開散運動が阻害される場合があります。結果として、ベースアウトプリズムメガネが見え方の不調を悪化させる・複雑化させる原因になることもあります。


もし、今現在ベースアウトプリズム入りのメガネを使用していて、「余計に疲れる」「気持ち悪い」「頭が重い」といった自覚がある場合は、使用を中止し、再測定を受けることをお勧めします。



(まとめ)


寄り眼過剰(輻輳過剰)の見え方の不調には、


  • ピント調節負担を軽減する度数設定をおこなう

  • 調節サポートレンズ・デスクワーク用など近方作業時のピント負荷を減らすメガネの活用

  • 遠方内斜位を補正するベースアウトプリズム度数は慎重な判断が必要(最終手段)


すべての見え方の不調が輻輳過剰によるものではありませんが、「遠くがよく見えるようにしたのに見え方の調子が悪い」という場合、このようなメカニズムが関係していることがあります。


当店では、近視度数をわずかに強める際にも慎重に検査を行っています。その理由は、こうした輻輳過剰の方に過矯正を与えてしまうことで、見え方の不調を悪化させないためです。


この情報が、見え方にお悩みの方のお役に立てれば幸いです。


また、このような見え方の悩みで困られていらっしゃる方がおられましたら、お気軽に相談ください。


メガネの尾沢では、ドイツ式・米国式両眼視機検査・超高性能オートレフラクトメーター・全国でも数台しかない特別な視力表・度数測定室の環境整備と徹底的にこだわってメガネ度数を測定していきます。


また、地元・田原市や愛知県だけでなく福岡県・広島県・福井県・和歌山県・三重県・静岡県・岐阜県など全国各地・遠方からも様々な見え方のご相談などでご来店頂いている実績がございます。


日常でのちょっとした見え方のお悩みだけでなく、夜間の見づらさ、眼の手術後の不等像による見え方の悩み、モノが2つに見える悩み、、何処にいっても解決策が見つけられなかった様々な見え方の問題に取り組んでいるメガネ店です。見え方だけでなくメガネのちょっとした疑問でも大丈夫です。


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メガネの尾沢 尾澤智宏です

どんな些細な見え方のお悩みや、メガネのお悩みでも、私が責任を持って御対応いたしますのでお気軽にご相談ください。ご質問のみでも大丈夫です。



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「夜間の見え方を完全再現する特別測定」も行っております。

夜間の見づらさに困られていらっしゃる方で、完全暗室でより正確に測定をご希望の方は時間外営業時間の「19:00~21:00」の時間帯での特別測定も承ります。お日にちでご希望に添えないことなどありますので必ず事前の予約をお願い致します。

また時間外測定料金として眼鏡作製時でも¥3300-を別途頂きますのでご理解お願い申し上げます。


 

メガネの尾沢(尾沢視覚研究センター)

 

住所:愛知県田原市田原町新町48-2 

Tel : 0531 - 22 - 0358

 営業時間:9:00~ 19:00

定休日:火曜日/第4日曜日曜日

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