メガネは“視覚機能”をスムーズに整えること

私たちの仕事は視力を出すことではなく、「視覚機能を整える」ことにあると感じています。

 

 

視力と言うのは視覚の一部であり、それが全てではありません。

視力と言うのは数値で簡単に現すことが出来、また眼に見えてハッキリするという感覚的にも分かりやすいので、視力が良ければ良いと思ってしまいがちですが、ただ「ハッキリ見えることが全てにおいて良い事」ではありません。

 

場合においてはハッキリ見えることが邪魔をして様々な視る問題を起こしたり、体の不調にも連動するケースがあります。

 

ある若い方で一日平均10時間のPC作業をするようなお仕事のかたですが、遠方の視力は非常によく1.5~2.0の視力表もスラスラ読めます。

 

でもこの方は、異常な眼の疲労感、偏頭痛や肩こりを訴えていました。視力は非常に良く見えるのでメガネが必要だとも思いませんでしたし、何か眼が原因だとは思っていても、色々行っても疲れ眼の目薬を使ってください、またはパソコン作業を減らしてくださいとしか言われなかったようです。

 

結論から言ってしまえば、PC作業で調節に負荷が掛かり過ぎてしまっていることが原因でした。

 

遠方視力が良いと言うのは遠くを見通すには適している眼ですが、PC作業のような近くを見続けるのには適していない眼と言えます。

 

また両眼視の部分では特にデータ的には大きな問題は見られませんでしたが、遠方を見ている時にやや「内斜位」という左右の視線が開き切っていない状態でした。(内斜位というのは、わずかな数値でも将来的に悪さをする可能性があるので少し気をつけた方がよいケースが多い視線のズレでもあります。)

 

そして機械の自動検眼機がはじき出した数値は軽い近視乱視です。

視力は1.5以上あるのにです。これを信じて近視のメガネを作るともう地獄です・・・

 

実際に測定すると正反対の度数で遠視乱視です。

 

そして今回はパソコン作業時に使う視力0.5前後に落としたメガネをお使いすることをお願いしました。

 

最初は見え方や違和感に苦労をされたようでしたが、徐々に使いながら慣れてきたら肩こり・偏頭痛・まぶしさの症状も緩和をされて、見え方の不快感も無くなったそうです。1つの良かった好例であります。

 

自動検眼機に頼るような測定をすると逆効果を招きますので注意が必要です。

 

かといって自動検眼機器を全く信用しないのか?というとそうでもありません。現在のテクノロジーは素晴らしく客観的なデータから判断するにはとても便利です。

 

私が特に大切にして見ていくことは近視や遠視・乱視と数値の正確性といった部分ではなく「どうしてこの数値が出てきたのか?」という部分に注目をしていきます。仮に間違った度数が出てきたからと言っても信用しないのではなく眼がどのように働いたからそういった測定値になったのか?こういったデータも、その方の持つ本当の眼の原因を探っていくことにも非常に役立ってきます。

 

また機械によっては調節機能の機能低下などが定量的にわかる機能のあるもの、角膜の形状をスキャンすることで定量的に角膜乱視の度数が分かる(乱視は水晶体乱視とその他の収差による)機械もあり(まだ未導入ですが)、これらはその後の乱視の変化が起きた時にどのように変化をして乱視の度数が変化をしていきたのか?も判断の材料になりえます。

 

また簡易的にですが眼の部分に病変が起きている可能性を判断できる機能もあるので、詳細の測定後にやはり何か気になる点があれば速やかに眼科医さんへ受診をお願いすることへもつながります。

 

あくまで多角的な視点での判断材料として使うといった意味であれば自動検眼機器は良い部分も多々あり、使う側が創意工夫をしてあげればとても素晴らしいモノであります。

 

また最新の機器だけでなく古典的な器具も使います。少しご紹介しましょう。

 

「レチノスコープ」という反射光から度数の確認、透光体(角膜や水晶体など)に邪魔をしている部分は無いか?を調べていくことも出来ます。またメガネ度数の最終チェックの際にも利用をしたりします。

 

「調節フリッパーレンズ」という検査道具がありますが、実際にこちらを使っていくと調節を入れることが困難なのか?調節を抜くことが苦手なのか?はたまた調節機能そのものが働くなっているのか?というのも実際に相手の反応を見ながら測定することができます。

 

先程紹介させて頂いた方は、このフリッパ―レンズで測定をすると調節を入れる側には1秒以内の素早い反応を示し、調節を抜く反応には2~3秒以上の時間を要していました。

日常的に調節に力が入り続けているので入れる側には素早く反応するが、調節を抜くことは普段あまりやらないので反応速度が低下してしまっている=調節に負担がかかっているとも言えます。また理論値を超える度数を入れても見え方がボケることが無いと言うのもこの結論に辿りつく一助になってくれました。

 

また調節と眼球運動(輻輳・開散)は連動しており、また虹彩とも連動をしています。若い方でも「眩しい」という原因はこういった事も連動をしていたりします。

 

またメガネと同時に簡単な調節と眼球運動のビジョントレーニングを行なってもらいました。

 

本人にも気づかない眼からの情報に対する脳の情報処理と、実際の体の動きの誤作動が起きているのを知ってもらい、それを整える作業も合わせてあげることで効果が表れるからです。

 

 

またビジョントレーニングと言うと、素早く動いているモノを見えるようにするなど動体視力だとか眼を鍛えるようなイメージを持たれるかももしれませんが、そういった一面もありますが、鍛えると言うよりも「視覚機能をいかにスムーズに発揮できるか?を整える」ことがビジョントレーニングです。

 

具体的に言葉にするならば、

 

目と脳と体、そして心(思考・感情など)とのスームズな連動・協調性をつくり、無理なく正しく空間を読み取れ把握できるようにすることとも言えます。

 

スムーズな視覚を得ることができれば、自ずと「視る」ことによる脳の情報処理ストレスは軽減できますので他の部分に振り分けることが出来るので「視る」ことが邪魔をしなくなるので眼が原因の疲労感と言うのも軽減をされていきます。

 

また単純に「視る」と言うのは、からだ全体にまで向けてみると、眼だけの筋肉を使っているようで体の様々な部分も軽微に反応をしています。肩こりの原因が必ずしも肩に原因があるわけではなく様々な体の部位の使い過ぎなどで肩こりが起こるのと同じような感じです。

 

こういった部分は定量的に現すのが難しいので、なんかスピリチュアルなようなモノとよく勘違いされたりしがちですが、至って科学的であり、人の体の秘密が全て解明出来ていないことにも起因しています。

 

「視る」というのは様々な原因に起因して複雑なモノであると言うのを知って欲しいと思います。

 

 

 

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