「夜はとても見づらくなる」というのを皆様からよく訴えを頂きます。
今までも予測は可能でしたが、各個々の眼の状況においてその度合いは大きく変わりますし、それを定量化するのは今までは少し難しい部分がございました。
「OPD-SCANⅢ」ではこういった度数変化をデータ上で表してくれます。
明るい時と暗い時の眼は瞳孔径が変化をするのですが、昼間は瞳孔は小さく、夜間(暗所)だと瞳孔は散瞳して大きくなります。
ほんの数mmでも瞳孔(黒目)が開くことで近視・遠視・乱視の度数変化が大きく起こるケースがあります。(全ての方がではありません。)

*MTFコントラスト 緑のラインが基準ライン、紫のラインがその方の実際の見え方を示しています。緑色と紫色のラインにズレが大きいほど日中と夜間など光のコンディション等での見え方に大きな差があると言えます。
瞳孔の大きさで度数変化が大きい方は、他の方に比べて昼間・夜間で見え方に大きな違いが生まれてきます。
こういったケースの方には、夜間運転用のメガネをお作り頂く、被写界深度延長レンズ「ESレンズ」、Zeiss Drivesafeレンズやメガネの上から掛けられる特殊オーバーグラスなどで対応することで見づらさを緩和することが出来ます。
そんなことをしなくても、最初から夜間の視力に合わせて度数設定してしまえば良いと思われがちですが、多くの場合は昼間においては度数が強すぎて眼の疲れの原因になったりと逆に眼に負担をかける度合いが大きくなってしまい別の問題を引き起こしてしまいます。
必ずしも遠くが良く見えることが良いわけではなく、また闇雲に度数を強くすればよいと言うわけでもありません。
眼の調節機能に関して言えば
遠くが良く見える度数 = 近くを見るのには負担が大きい
遠くの見え方は物足らない度数 = 近くを見るのには負担が少ない
と言えます。但し、+αで両眼視機能を必ず考慮することが必要です。
各環境において、シーンに合わせた適切な度数のメガネを使いこなすことが一番大切になります。