2016年に眼鏡技術者国家資格推進機構の発行された「累進メガネへ関する消費者調査結果報告書」約50%近い方に大小なりの何らかの不満を感じているとお答えをされています。これはとても大きな問題です。
統計・結果を見ると遠近両用メガネのメリット・デメリット・使い方などについて理解が出来ていない・説明が不十分である・お客様のライフスタイルに合っていないことが、一番大きな原因の1つとして考えられます。また技術・知識的な部分でも、通常のメガネよりも高いレベルを要求されますので差が出やすいことも大きな原因だと感じています。
遠近両用メガネは非常に便利なモノですが、用途によっては使いづらい部分もあります。メリットとデメリットを知った上で使うことが大切です。
(メリット)
遠くも近くも見ることが出来るので掛け替えがいらない・お買い物やお出かけ・日常生活の中でのちょっとした近くを見るのには最適
(デメリット)
近くを見る部分・範囲が狭いので長い時間のデスクワークや近くを見る様な作業には向いていない
遠近両用は室内で過ごす時間が多い・デスクワーク・手元の細かいモノを見続ける・近くを長い時間見る方には向いていません。
長時間の近くの作業の多い方は、中近や近用ワイドレンズという別のレンズを選んだ方がスムーズに楽に見えます(遠くの見え方は落ちてしまいます)
最初に「どんな時に使いたいメガネなのか?」という用途をしっかりと話し合いをする、また急に言われてもなかなかイメージ出来ない場合も多いと思いますので、こちらから質問等をしながら少しづつ摺り合せをしていくことも大切になります。
こ こ か ら 重 要 ↓
また必ず人は両目で見ている(両眼視)ことを考慮することもとても大切です。
通常では片目づつの視力の測定をして「見える・見えない」を確認して終わりですが、それでは不十分です。
遠近両用を使いづらいというのは、「両目で見ている」ということを考えないで作ることも原因になります。
遠近両用を使っていて特に不満に感じることで多いのは、「近くが見づらい・疲れる」です。
眼科医さん・眼鏡店さんで測定した時には見えたのに・・・実際使いはじめると何か見づらい・疲れるなどは「両目で見る=眼球運動」を考えられていないからです。
「近くを見る」時には眼が内側により、更に下に視線を動かします。瞬間的・短い時間であれば維持することは出来るけど、長い時間それを維持することは眼の筋肉に大きく負荷が
この見方の違いについて考慮されていることは、ほとんどない場合が多いです。
瞬間的に見ている時は見えていても、長い時間眼球運動を維持するのは苦しくなる・・・これは左右2つの眼について考慮していないことも原因です。特に遠近両用メガネは近くの度数(老眼度数)レンズの下方に近くの度数が入りますので眼球運動を維持するのに少し苦労をします。両眼視の機能はとても大切な要素でもあります。
それでも近く専用のモノの方が近くを見る作業には向いていますので2つのメガネを使い分けることが楽に負担なく見るために秘訣でもあります。
メガネの尾沢
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