近視の度数が強すぎるメガネを掛けている方の事例です。
フレームが壊れたので、今のレンズを使ってフレームだけ入れ替えのご希望で来店いただいたのですがテスト枠に今のメガネを設定して掛けてもらい一緒にフレームを選んでいると
「距離感が合わず手をぶつける」「まばたきをしきりにしている」
いかにも問題がありそうでしたので・・・
「一度、度数を測り直してみませんか?」とご提案したところ「OK」のご返事を頂けたので測定させて頂きました。
(今までお使いのメガネ度数)
S-5.00 C-0.25 AX180
S-4.00 C-1.00 AX180 瞳孔間距離(PD)63㎜ 視力0.8~0.9
(今回測定したメガネ度数)
S-4.25
S-3.25 C-0.50 AX10 瞳孔間距離(PD)66.5㎜ 視力1.0
近視の度数と乱視の度数を2~3段階ほど下げることとなりました。
度数を下げたにも関わらず視力は上がるというパターンです。
これは必要以上に強い度数 + 瞳孔間距離も実際の測定値よりも短くメガネが作成されていたので、近くを見る時に調節+輻輳にダブルで大きな負荷が掛かっていたので眼の筋肉が過剰に緊張したまま固まってしまい視力が落ちてしまったパターンでした。
実際にテスト枠で掛けてもらったところ、「楽になった」「距離感も問題ない」という反応でした。
でもなぜ度数を弱めたのに今回の測定では視力が上がったのか?
これは測定の途中で、調節と眼球運動の弛緩・緊張を繰り返させることで眼の筋肉の緊張を解く働きかけをして、それが上手く解けてくれたことによるものです。
お若い方で、まだそれほど視機能問題が定着していない段階でしたので上手くいったパターンとも言えます。
スマホやPCも使ったりするとの事なので、本来は近く用メガネも作成して頂きたいところでしたが、まずは日常用がなければ生活が難しいので優先させて頂きました。
案外にもこういった強すぎる度数を掛けている方は多いのが現状でもあります。そして視力は出てしまうので、OKとされてそれに気づけてない方も多いです。
量販店さんで測定されている方に非常に多いのですが、ある程度経験を積まれた方の測定でも強すぎる度数におちいるような視環境状況に今はなりつつあります。
度数はどこで測定しても同じだと思っているかもしれませんが、大きな差が実はあります。
測定者がどんなことに留意して、どこに導くのか?によってメガネ度数は変わってきてしまいます。
ここ最近は全体的に皆さんが今まで以上に「視力を求める方向」「必要以上にハッキリ見たい」を求めすぎている傾向にあるように感じます。それにこちらが答えていくと今回のようなケースに熟練の測定者方でもハマってしまう・・・そんな環境・社会になりつつあります。
今の見る環境は明らかに近くを見る環境が多いはずです。
でも皆さんは「遠くのハッキリ感を求めてくる」ことに今まで以上にシビアになってきています。
お互いのベクトルが逆方向に向かっているので、眼精疲労を訴える方が多くなるのは必然的な問題のように感じています。
時にはお客様のご要望に勇気をもって「NO」を言うこともあります。それは私なりに本当に皆さんの視る環境を考慮した上での言葉です。
その責任もしっかりと受け止めますので、「どうにもおかしい」「どうにも慣れない」場合はどうぞご遠慮なくお申し付けください。
メガネの尾沢
住所:愛知県田原市田原町新町48-2 Tel : 0531 - 22 - 0358 営業時間:9:00~ 19:00 火曜日定休