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夜間の見づらさと眩しさの原因と対策(対策編)

執筆者の写真: Tomohiro OzawaTomohiro Ozawa

さて、それでは夜間時の見づらさと眩しさを軽減・緩和するにはどうしたら良いでしょうか?今回はその対策について書いていきたいと思います。


①屈折矯正(近視・遠視・乱視)を行なう

まずは第一として近視・遠視・乱視といった屈折矯正をおこなうことが基本です。仮に視力表での裸眼での視力が良くても、検査室での光の環境の良いコンディションでの測定です。近視・遠視・乱視などが未矯正の場合は、薄暮・夜間時などの光のコンディションが悪くなると極端に視力が大きく下がる傾向があります。

特に遠視や乱視の未矯正に関しては「眩しさ」等を合わせられるのであれば可能な限り合わせてあげることが大切です。

また最も基本的な事でもありますが、より深いレベルで測定ができるか?というのも重要になります。波面収差解析装置を使用した昼間時や夜間時での度数の変化なども把握出来ているか?なども大切です。



②両眼視機能の調整

「斜位」という視線ズレがあるのですが、こちらのズレを正しく修正しきれずに最も鋭敏に視力や感度を得られる「中心窩」という部分に両眼での視線をしっかりと合わせられずに見づらさ・眩しさを感じるというケースがあります。

こちらに関してはプリズムレンズを使用したり、ヴィジョントレーニング等でズレを修正するようにします。



③見づらさや眩しさを軽減する機能レンズや機能カラーレンズを使用する

屈折矯正のみだけでも解決できない「高次収差」については前回説明させ頂きましたが、この高次収差は現在のレンズでは修正することは不可能ですが、各レンズメーカーより「見え方の質」を高めるような機能レンズがいくつか出ておりますので、これらを使用することで「高次収差」による見づらさ等を緩和することが可能です。


それらが以下のレンズ群になります。↓


(無色で眩しさ・見づらさを軽減するレンズ)


①Zeiss Drive safeレンズ

Dura vision Drive safeコーティングを施すことで、特に夜間時におけるヘッドライトの眩しさを感じる波長域の光(主に青色光)を低減させるレンズです。

またレンズの設計も、薄暮・夜間時の瞳孔径を考慮した設計、レンズの周辺部までしっかりと見えるようなレンズ設計もされており「見え方の質」も高めてくれます。(基本無色ですが、青色光をカットするのでやや黄色味がかって見えます)




②ネッツペックコーティングレンズ

レンズ表面に特殊なハニカム状のコーティングを施すことで、光源を和らげる効果が生まれ眩しさが軽減され、且つコントラストも高めてくれるので「見え方の質」も向上させてくれるレンズです。










③被写界深度延長ESレンズ

単体で「眩しさ」への軽減機能はありませんが、通常のレンズが焦点を「点」のように結ぶのも対して、このレンズは「線」のように結ぶことで「見え方の質」を高める効果があります。特に夜間時に視力が変わりやすい方には有効です。また「レンズの設計で見え方の質を高める」と言う他社とは違うアプローチをしているレンズでもあります。無色で眩しさの軽減機能を測るのであればブルーライトカットコーティングを利用する、有色でも良ければDLCカラーという特殊カラーをオプションとして付加することで眩しさ軽減につながります。















(カラーレンズで見づらさ・眩しさを軽減する)

眩しさの原因は「光」そのものですので、光を軽減するサングラスを使用することがよいのですが、濃度約25%以上の色付きメガネ(視感透過率75%以下)は夜間の運転に使用できませんこれは法律上で禁止され決められていることです。また、これは車の「運転手」だけではなくて、車道を歩く歩行者にも適用されますので注意をして下さい‼


これらの理由でレンズの色を必要以上に濃くする事ができませんので防眩効果がサングラスに比べれば弱くなります。では、どうしたらいいか?といえば、必要な明るさはしっかりと確保をし、眩しさに影響を与える特定の光だけを集中的に軽減するようにしたらいい。

つまり眩しさに繋がりやすい「光の領域」を選んでそこをシッカリと遮るカラーレンズであれば「眩しさ軽減と一定以上の明るさ」を両立することが出来ます。


それらが以下のようなレンズになります。


①ブルーライトカットカラーレンズ

眼内で乱反射して眩しさの原因となる青色光の波長域を通常のカラーよりも効果的にカットしてくれるカラーレンズです。各社から様々出ておりますので、色の種類も豊富でグレー・ブラウン・オレンジ・ピンク・パープルなど選ぶことも出来ます。夜間の使用が目的であれば濃度は20%以下のモノが目安となります。また色によっても



②ナイトアシスト475(別名:Wave Plus 475)

眩しさの原因になりやすいブルーライト領域(360~500nm)の光の内、460nm以下の光を99%カットしながら他の波長領域の光はしっかりと確保することで夜間に必要な光量を確保しながらも眩しさを軽減してくれる特殊なカラーレンズです。上記のブルーライトカットカラーレンズよりも思い切ったカット率ですので夜間運転時の防眩効果はかなり効果的です。但し、レンズカラーは黄色のみですので、夜間運転使用時などある程度用途としては限定されたようなレンズになります。

メガネの上から装着できるクリップオンメガネのようなモノで対応しても悪くないと思います。(*+αでレンズ表面にネッツペックコーティングを追加することで更に見え方を向上することも可能です)











③アクティビューナイトドライブ

車のヘッドライトに使われているライトの眩しさの原因となる波長域(青色光・黄色光の領域)を分析し効果的にカットされるように設定されたレンズです。色味はやや黄緑色?が混ざったような薄いグレー色です。見た目もかなり薄いカラーです。

但し、レンズ基材へ防眩機能が直接練り込まれますので、レンズの厚み等で制作範囲に制約があり、度付き対応範囲が通常のレンズよりも狭く、またプリズム度数も入れられないなどのデメリットもあります。中強度数の方はメガネの上から装着できるクリップオンメガネのようなモノで対応するのが良いと思います。



④ネオコントラスト

人の眼は最も眩しいと感じる可視光線の範囲のほぼ真ん中、黄色(555nmあたり)を鋭敏に感じて、そこから離れた色の明るさ感度はだんだん下がっていく傾向にあります。

このレンズは、人が眩しいと感じる光である555nm付近の光をしっかりとカットすることで、眩しさの軽減をしながらも、他の波長域の光はしっかりとした明るさも確保するというレンズです。色濃度はしっかり付いてますが夜間運転使用可能です。












⑤ANZUレンズ

青色光と黄緑色光の光を効果的にカットすることで「色彩向上・見やすさ向上」させるレンズです。メーカーさんは眩しさ軽減というよりは「色彩感の向上」を謳っておりますが、眩しさの原因となる波長域の光を選択的にカットしているので防眩機能もしっかり持ち合わせています。色濃度は約11~12%程度でレンズカラーはその名の通り「杏色」です。














これら機能レンズは、

まずは無色のレンズをお試しいただき、眩しさや見づらさの向上が見込めるようであれば、Drive safeレンズや、ネッツペックコートレンズ、ESレンズ(ブルーカットコート付)などを選択してお作り頂ければ、日常用のメガネとしても問題なくシーンを選ばずお使い頂けます。


上記のレンズを使用しても、まだ薄暮・夜間時に眩しさや見づらさを強く感じると言う方は、ブルーライトカットカラー・アクティビューナイトドライブ・ナイトアシスト475・ネオコントラストなどの機能カラーをお選びいただくのが良いと思います。


但し、これらのレンズには個性的なカラーをしたモノもありますので日常用として、どんなシーンでも問題ないか?というと、TPOによってはあまり向いてないケースもあります。


使い分けを割り切って複数本持たれることであれば専用としてお作りしても良いと思います。(最も効果を得やすいメリットもあります)


また既に日常用のメガネをお持ちで、更に夜間専用として「常に2本持つのはなぁ・・・」という方には、ご使用いただいているメガネの上から装着できるクリップオンメガネフレームを利用して、これらの特殊カラーレンズを度無しで選択いただき使用するという方法もあります。












実際に自分も「ナイトアシスト475」などの夜間時の眩しさを軽減する特殊カラーレンズはクリップオンサングラスなどを使用しています。多少外観が損なわれる、重たくなるなどの煩わしさの面はありますが、お使いのフレームの形状に合わせて作製すればそれほど問題なく使用できます。「見え方の質」を向上させてくれるので案外と便利です。



長文になってしまいましたが、夜間時の眩しさや見づらさの原因は様々ありますが


先ずは、しっかりとした「メガネ度数合わせ」が基本になり、その上で何が更に原因となっているのか?といったことを探っていくことで対策を選んでいくことが大切になります。


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