両眼視機能検査の基本は「屈折度数(近視・遠視・乱視)測定」を徹底すること
- Tomohiro Ozawa
- 6月25日
- 読了時間: 7分
本日は両眼視機能検査の基本は「屈折度数(近視・遠視・乱視)測定」の徹底することを書いていきたいと思います。
両眼視機能検査のお問い合わせの中で、たまにあるのですが
「視力は今のメガネ度数であっているが、斜位があるので、それだけ補正して欲しい」
「裸眼視力は良いが斜位があるからそれを補正して欲しい・調べて欲しい」
というご要望があります。
基本的には、当店では屈折度数も必ず測定をした上で、両眼視機能検査として斜位を正確に測定をしていきます。
何故そのようなことをするか?というと「屈折度数」と「斜位」は連動をしているので、どちらか一方だけでは見え方の不調などがあっても問題が見えてこないので必ず両方の面から確認をして総合的に判断をしないといけないからです。
当店が「両眼視機能検査」を行う際でも必ず下記のように
①屈折度数(近視・遠視・乱視)の補正
②両眼視機能の測定(斜位・調節・眼球運動など)
と、必ず屈折度数の測定を先に行い補正した状態で両眼視機能の斜位測定などを行っていきます。
「屈折度数の補正」は見る機能の土台になる部分
先ず知って欲しいのが「屈折補正は見る機能の土台となる部分」になります。
土台が崩れていると、その後に「両眼視機能検査」をおこなっても測定値の正確性が低くなり間違った度数になってしまうリスクが高まります。
「えっ!?そんなの何処で測定しても同じでしょ?」
「そんなの何処でも測ってるから大丈夫じゃないの?」
「今のメガネで視力が出ているので大丈夫ではないのか?」
とおっしゃられるかもしれませんが、仮に視力が1.5だとしても正しい屈折補正状態であるわけではありません。
そもそも一般の皆様の認識として「メガネ・コンタクトレンズ=視力をよくするもの」と考えられていますが、私たち眼鏡士は「メガネ・コンタクトレンズ=正視の状態にするもの」と違いがあります。必ずしも「視力が良く出ている=正しいメガネ」ではありません。
当店で、必ず再度屈折補正の測定を行うのは「過矯正メガネやコンタクトレンズの使用している方が多すぎる」ことにあります。
ここは様々な問題が絡んでいるので、なぜそのようなメガネやコンタクトレンズを使用されている方が多いのか?は割愛をしておきますが、後ほど書かせて頂く「当店が屈折補正測定を正確に行うために拘っていること」を参考にして御自身が受けたことのある測定方法と違いがあるか?をご確認頂ければと思います。
見え方の不調の原因の多くは、屈折補正度数が間違っている・過矯正の問題が圧倒的に多い
屈折補正をされていない・屈折補正度数が合っていない状態で、見え方に影響を与えるズレの大きい斜位があったとしてもメガネで正しく屈折度数を補正するだけで問題の無いレベルに落ち着くというケースがあるからです。
屈折補正の的は視力を良くするためではありません。
当店が屈折度数測定を正確に行うために拘っていること
当店では、正確に屈折度数の測定を行うために以下のことに拘っています。
①測定環境の整備
当店では視力表の位置を実際の距離の5mの場所に置いています。これは正確な屈折度数を測定するために眼のピント調節機能が無用働かないようにするためです。また天井・壁面の色も視力表と同じ色に合わせることで視覚刺激を与えないように配慮しています。
テレビ型の近距離画面での視力表は、画面内で疑似的に5mの距離を作り出していますが、近くの距離にあることに変わりはありませんので無意識的にピント調節が働き過矯正になりやすい傾向にあります。

②OPD-SCANⅢを使用した黒目(角膜)の形状・瞳孔径の把握
当店では、一般的に使われているオートレフ機ではなく「OPD-SCANⅢ」という黒目の形状や瞳孔径のサイズをスキャンして正確に把握をします。特に乱視は黒目(角膜)の形状に強く由来していますので形状を正確に把握できることが正確な乱視度数の測定に役立ちます。

③検査フレームを使用した測定方法
当店では敢えて機械式フォロプターなどを使用せずに検査フレームを使用して測定をしていきます。これは機械式フォロプターを使用すると「機械近視」と呼ばれるピント調節機機能が無意識に刺激されることを避けるためです。(米国式両眼視機能検査ではフォロプターを使用します)

④雲霧法を徹底する
当店では雲霧法と呼ばれる「ピント調節機能を緩める」ための手法を徹底して行います。
人間のピント調節機能は一度刺激されて力が入ってしまうと元に戻るのに時間がかかります。また、最近ではスマホなどの近くを見る時間が多くなっているのでピント調節機能が酷使されていることでスムーズに働いていないケースも多いので雲霧法を行わない測定は過矯正のリスクが高まります。(最近ではあまり行われていないようです)
また、その後の両眼視機能検査を行う中でピント調節機能の測定などで屈折度数の補正の正確性を確認するなども行います。
屈折度数の補正が上手く行えていない場合は、その後の両眼視機能(斜位・眼球運動など)の測定にも影響を与えてきますので、それほど見ることの土台となる大切な項目です。
「両眼視機能」というのも「見る機能」の一部にすぎません。屈折補正・両眼視機能など様々な項目が組み合わさって「見る」ことに繋がっています。
案外、屈折補正度数を改善するだけで「両眼視機能」で現れていた問題も解決することに多くあります。
また昨今、教育の現場などにおいても両眼視機能の分野も少しづつ取り入れられ始めている所もあり、眼球運動を整えるビジョントレーニング(視力回復ではない)なども少しずつ認知され始めています。
とても良いことではあるのですが、「屈折補正」などの土台を無視して行う事で効果を得られていないというケースもあり、逆にトレーニングが上手く出来ないことに苦痛を感じてしまっているケースもあるようです。
こういったケースでは、更に負荷をかけるようにトレーニングに取り組むようなことは逆効果になります。こういったケースでは、一度、立ち止まって「原因は他に無いか?を」見極めることも大切です。
最後は話が脱線してしまいましたが、「見る機能」について正しく理解をして頂きたいという想いからですので、御理解頂ければ幸いです。
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当店では、最新の測定解析装置を使い、通常の測定では分からない見づらさの原因なども探り、尚且つ、ドイツ式・米国式と両方の「両眼視機能検査」で見る機能を詳細に測定をしていきます。何処に行っても原因が分からない見え方でお困りの方は是非ご相談いただければと思います。またより正確なメガネをお作りしたいとご希望の方もご相談ください。
このような情報が、少しでも皆様のお力添えになれば幸いです。
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